2021.08.31(最終更新日:2021.11.09)

リノベーションとは?リフォームとの違いを解説

リノベーションとは?リフォームとの違いを解説

近年、築年数の経った建物を今の暮らしに合うように改修する「リノベーション」という言葉を盛んに耳にします。既存の建物を直してきれいにするという意味では「リフォーム」同じように思いますが、一体何が違うのでしょうか。

本記事では「リノベーション」と「リフォーム」の違いとともに、ヤシマ工業でも手掛ける「一棟丸ごとリノベーション工事」に関連して再生建築の可能性について解説してきます。

「リノベーション」と「リフォーム」の違い

「リノベーション」と「リフォーム」という言葉について、公的な区分けや定義はありませんが、一般的に「リフォーム」とは「建物の老朽化した箇所を直して、新築時の性能まで回復させる」ことを指します。例えば、壁紙を貼りなおす、屋根を葺き替える、水回りの設備を新しいものに交換するといった工事です。建物も使い続けていく中で傷みが生じたり、設備が寿命を迎えたりという場面が出てきますので、機能を回復させてあげることで、さらに使いやすく快適に建物を使用していくことができます。

対して、「リノベーション」は老朽化した箇所を直すことに留まらず機能改良を施し、新築時よりも建物の性能を向上させたり、価値を高めたりする包括的な工事を指します。購入されたマンションの一室をリノベーションするという場合もありますが、大掛かりなものでは建物の全体を構造部だけ残してスケルトン状態にし、間取りや導線、設備の配置なども含めて新たにデザインしなす場合もあります。ヤシマ工業が手掛けるのはこの建物全体を対象にした「1棟丸ごとリノベーション」になりますが、外観や内装もガラッと新しくなりますので、見た目が驚くほどきれいに変わります。また、設備周りや防犯対策の強化など新たな機能を付加することで、時代にニーズに合わせ建物を進化させていくことができます。

工事の規模に関しても「リフォーム」が部分的な工事になることが多いのに対し、「リノベ―ション」は大掛かりな工事になる傾向があります。

リフォーム 築年数の経った建物を新築状態に近づけるための原状回復であり、劣化箇所、不具合箇所への部分的な対処(マイナス→ゼロ)
リノベーション 築年数の経った建物を現在の使用用途に合わせて性能を向上させたり、価値を高めたりする包括的な改修(マイナスorゼロ→プラス)

新築・建替えのほかに広がる選択肢「リノベーション」

「リフォーム」に対し、「リノベーション」は比較的新しい言葉ですが、ここ数年でずいぶん広く知られるようになってきました。これには建物に対する皆様の考え方が少しづつ変わってきたことが関係するように思います。

近年、中古マンション市場が堅調な伸びを示しています。立地のいい場所や人気のエリアでは、新たに建物を建てられる場所は限られています。また、土地が空いたり、新築マンションが建ったりしても、価格は高くおいそれと手を伸ばすことができないのも現実です。そんな中、近年、気になるエリアの中で比較的手の届きやすい中古住宅や中古マンションを購入して自分好みにリノベーションをして暮らしていくという選択肢を選ぶ方も増えてきました。従来、「築年数が経った建物」=「きたない、設備が古い、使いづらい、寒い・熱い」といったマイナスイメージが先行し、建物を見る前に築年数だけで選択肢から外してきた方も多いと思います。しかし今、「リノベーション」というワードでインターネットを検索すると、おしゃれで機能的な住まいが次々とヒットするようになりました。築年数を経た建物でも、「リノベーション」というステップを踏むことで、驚くほど建物はきれいに生まれ変わる。皆様の中に広がったこうしたイメージの転換も、中古物件・経年建物の活用という選択肢に目を向けていただくきっかけになっていると思います。

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「リノベーション」で広がる経年ビルの可能性

日本では築30年を超えると「古い」と言われてしまう建物ですが、欧米に目を向けると築100年を超える建物が現役で活躍しています。リノベーションを行うことで、広がる可能性やメリットを考えてみましょう。

建物の使用用途を変えるコンバージョン

リノベーションは建物の性能を向上させたり、価値を高めたりする工事だとご説明しましたが、実際に工事を始める前には、その前提として建物の使用用途、つまり「今後、どうやって建物を使っていくのか」を改めて考える必要があります。

例えば、所有されている賃貸マンションを、今後も賃貸マンションとして使い続けていくということであれば、基本的には住居用→住居用で建物の使用用途は変わりません。

一方で、賃貸マンションとして使用されていた建物を、周辺の商環境に合わせてオフィス仕様にした方が収益を見込めるといった場合もあります。このように住宅用に使用していたビルをお店仕用に、飲食店用の間取りをオフィス仕用にといった用途の変更を伴うリノベーションをコンバージョンと言います。

商業ビルや賃貸マンションを所有されているオーナー様の場合、建物の収益性は最たる検討事項です。新築時とは周辺の環境や人の属性が変わっていることもありますので、建物の使用用途について今一度考えてみることはとても大切です。その土地や周辺の環境から建物に求められるニーズをきちんと把握し、活用の可能性を考えることが、長く安定して収益を生む建物として生まれ変わるための一歩となります。

建物を未来に繋ぐリノベーション

ヤシマ工業は鉄筋コンクリート造のビルやマンションの改修を専門としていますが、最近、ビルを所有されるオーナー様から、こんなご相談をいただくことがあります。

・築年数が経ち、建て替えを検討していたが、思った以上に高額だった。
・建て替えると建ぺい率の関係で、同じ規模の建物が建てられない。
・ご両親から引き継いだビルだから、使えるものなら大切に使いたい。
・代々受け継いできたビルが、築年数の経過で本格的な改修が必要。

皆様、「絶対に壊して建て替えたい」と考えているわけではなく、所有されているビルがだんだんと古くなり、建物の今後について頭を悩ませている方がほとんどです。しかし、いざ建て替えを含めて検討し始めると費用面の問題、入居されているテナントさんの処遇など、思った以上に多くのハードルに直面します。そんな中、「現在の建物を壊さず直して使っていく」再生建築という道に新たな可能性を感じ、ご相談をいただくケースが増えているように思います。

もちろん、大前提として所有されているビルの健康状態は見てあげる必要があります。つまり建物の表層である「見た目」をいくら綺麗にしても、建物の構造を支えるコンクリートが寿命を迎えつつあるようであれば、残念ながらリノベーション工事を実施しても、将来的に安全に使っていくのは難しくなります。こうした場合、いずれは建て替えや取り壊し、売却といった選択肢を視野に検討していく必要があります。

しかし、一方でビルの健康状態が良ければ、「直して使っていく」という可能性も残されています。オーナー様は「もう古いから…」と半ば諦めていても、実際に建物を調査してみるとコンクリートの本体部分は思いのほかしっかりしていたということは往々にあります。こうした場合、経年で生じた劣化部分はきちんと補修をしてあげることで、機能回復を図ることができます。加えて、間取りや動線の見直し、設備や内装を新しくすることで、建物は見違えるほどきれいに使いやすくなります。オーナー様自身、「まさかこんなにきれいになると思わなかった」と驚かれる方も多くいらっしゃいます。

建物を長く使うことは環境にも優しい

近年、SDGsにも代表されるように環境問題への関心が世界的に高まっています。地球を未来に繋げていくためには、今ある資源をいかに大切に使い続けていくかがとても大切です。そのための様々な取り組みがありますが、とても身近なところで私たちにできることがあります。それは、私たちが今使っている建物をこれからも大切に使い続けていくことです。

建物を作っている鉄筋やコンクリート、あるいはガラス、これらはある意味エネルギーの塊です。「壊して建て替え」を繰り返すということは、当然ながらこれらの製造や運搬の過程で生じるCO2をどんどん放出することです。大量の材料を用いたビルやマンションを短期間で建て替えると環境負荷はかなりのものと言わざるを得ません。

また、建物は省エネの余地がとても大きいと言われています。建物は日々の生活や活動をする場として冷暖房などたくさんのエネルギーを使い、もちろんCO2もそれだけ放出しています。省エネ仕様への改修や断熱の強化などを通じ、年間を通じて温度変化が少ない快適環境をつくることで、それが結果として大幅なエネルギー削減につながるというわけです。新築に比べてコストも抑えられるリノベーションは、費用面だけではなく環境にもとても優しいのです。

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「リノベーション」で建物を優良資産として長期活用

ビルやマンションに代表される鉄筋コンクリート造(RC造)の建物はその名の通り、コンクリートと鉄筋でできています。単体でもとても丈夫な素材ですが、互いが組み合わさり、長所を活かし、短所を補いあうことでさらに強度を増します。このように頑丈な造りの建物が、本当に築30年で古く取り壊しが必要なになるほど弱く価値のないものになってしまうのでしょうか。築30年、40年を超える建物を日々修繕している私達としては、ビルやマンションの寿命がそんなに短いはずがないことを体感しています。

「もったいない」という言葉があるように、古来、日本人はものを大切にする暮らしを続けてきました。しかし、なぜか建物に関してだけは古くなったら壊して建て替えるということが、これまで当たり前に行われてきたのです。しかし、こうした流れは今、大きく変わりつつあります。

日本に鉄筋コンクリート造の建物が普及しはじめて約50年。今、日本には築年数を経て大きな転換期を迎えているビルがたくさんあります。こうしたビルの将来を考えた際、建て替えや売却など建物の維持管理を考える際には様々な可能性が検討されると思いますが、直して進化させ使い続けていく「リノベーション」という選択肢も加えてみてはいかがでしょうか。

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